大和ハウス工業様は、全国74か所に事業所を持つ、1955年創業の大手住宅総合メーカー。お客様が望む快適で安全・安心な住み心地と、年月を経ても続く資産価値の提供を目指し、日本全国でマンションを供給されています。
今回は、新築マンションの販売支援をされているマンション事業本部の岸下様に、WEBを使った販促やWEBサイトのアクセス解析などマーケティング業務でどのようにバーチャルツアーを活用されているか伺いました。
現場からの声で導入された「THETA 360.biz」
2020年 2月から「THETA 360.biz」をご活用いただいていますが、何をきっかけに導入をされるに至ったのでしょうか。
導入のきっかけは、ある物件の販売責任者からバーチャルツアーを導入したいという相談を受けたことです。完成したばかりの物件でしたので当時はまだ空室も多く、その空室をどう見せるかというところで、RICOH360-VRステージングというサービスが担当者の目に留まりました。
RICOH360-VRステージングとは、お部屋の画像にバーチャルでCGの家具や小物を配置するサービス。空室のお部屋でも、室内のコーディネートや暮らしのイメージを演出することができます。導入から半年ほどたった現在では、CGによる家具配置がされている以外のものも含めて200近くのツアーを作成し、活用しています。
御社では、バーチャルツアーはどういった使い方をして頂いているのでしょうか。
自社ホームページへ埋め込んで の活用がメインです。現在では、完成物件はほとんどバーチャルツアーを作成して、ホームページに掲載しています。
また、お客様より資料請求を頂いた際は、お客様への返信メールにビューURLを添付してお送りしています。まだ数は少ないですが、紙媒体にQRコードを掲載することもありますね。
以前は他社のバーチャルツアー制作ツールも使われていたことがあるそうですが、THETA360.bizをご利用されていかがでしょうか?
以前使っていたツールよりも、とても使いやすい事に驚いています。ドラッグアンドドロップだけで間取り図上にパノラマ画像を配置することができたり、導線をリンクでむすぶだけでウォークスルーがつくれたりするなど、直感的に操作ができ、かなり効率的にバーチャルツアーの制作を行うことができています。
導入前のテスト期間から、圧倒的な使いやすさを感じたため、こちらのツールに切り替えさせてくれと私から会社に頼んだほどです。1つのツアー制作時間が以前より20分も削減され、今ではたったの10分ほどでツアーを作成・公開できるようになりました。
仮に25物件のバーチャルツアーを作成すると、丸一日分の業務効率化となり、従来よりも多くの物件をバーチャルツアーでご紹介することが可能になります。また、営業担当から急な依頼がきても、簡単に仕上げることができます。
コロナ禍が転機となり、一気に導入が進んだバーチャルツアー
導入直後は社内への浸透はスローペースでしたが、コロナ禍に入って、なかなかお客様に直接物件をお見せできない状況になってくると、全国の事業所の営業担当から「THETA 360.biz」を活用したいという問い合わせが一気に増えました。それを機に、360度カメラ(RICOH THETA)も一括で購入し、導入を行いました。
それまでは、やはりツアーを作成するという手間もあり、こういった新しいツールを導入することに対して、営業担当の態度は消極的でしたが、実際の物件を見に来られない状況が続く中で、間取り図だけではない「バーチャルツアー」という見せ方に対して、お客様の関心が高まったことが、社内での浸透を後押しした印象です。
コロナ禍でバーチャルツアーを利用するお客様が増えたことが、バーチャルツアーというコンテンツ自体の普及に繋がったのだと思います。
顧客からも現場からも予想以上の反響が。現場から変わっていくコンテンツ運用
コロナ禍を機に、一気に「THETA 360.biz」の導入が全国に広まったとの事ですが、全国の営業担当の皆様から「バーチャルツアーの撮影・制作に時間をかけてでも利用したい」と思って頂いた決め手は何でしょうか。
とにかく、お客様からの評判が非常にいいというのが大きいです。例えば、間取り図から「目の前にマンションがある」という事が分かっても、実際の日当たりがどれくらいなのかは、従来は内覧をしなければ分かりませんでした。バーチャルツアーを見ることによって、日当たりが思っていたよりも遮られていないことが分かった、というケースもありました。
その他にも、居住部をバーチャルツアーで確認することで、お部屋のサイズ感を把握しやすくなり、平面図からでは分かりにくいお部屋間の導線を、その場にいるかのように臨場感をもって体感できるなど、沢山の喜びの声を頂きました。こういったお客様の声が営業の間で広まったことで、積極的にバーチャルツアーを取り入れようという意識が高まったと感じます。
実は、コロナ禍の前は、お客様の来場を促すため、オンラインではコンテンツはなるべく見せない、というのが社内の傾向としてありました。ですが、今回のコロナ禍をきっかけとして、実はコンテンツを沢山お見せしたほうがお客様からの反響が大きく、ご来場いただいてからも商談がしやすいという事が分かったのです。
この気付きが大きなターニングポイントとなり、ホームページの見せ方なども大きく変化しました。
バーチャルツアーのアクセス数などの効果測定はされているのでしょうか。
当社では、資料請求を頂いたお客様にメールマガジンを配信しているのですが、メールに記載したバーチャルツアーはPV(ページビュー)数が一気に跳ね上がります。メールの配信数は関東圏であれば1~2万件単位にものぼりますので、メール配信日には通常の100倍ものアクセスがあることもあります。
自社ホームページの中でも、バーチャルツアーを掲載しているページはクリック数が突出しています。バーチャルツアー掲載前後とでアクセスが明らかに変わっていることには、物件の営業担当も衝撃を受けていました。
こういった変化が見えると、お客様がいかにバーチャルツアーに興味を持ってくださっているかが良く分かるので、現場の営業担当の導入意欲アップにもつながったと思います。
こうして数字に表れてくると、ユーザーがバーチャルツアーを閲覧することがどんどん当たり前になっていっているのだと実感しますね。お客様も、物件探しを自宅から行う、ということに抵抗がなくなっているどころか、時間や移動の制約がなったことでむしろ利便性も覚えて頂けているようです。
こうしてお客様の価値観が変化していく様子を目の当たりにすると、弊社に限らず、今後業界の中でもバーチャルツアーを取り入れるのが主流になっていくと感じます。
広がっていく「THETA 360.biz」の活用の幅と今後の展望
バーチャルツアーを実際に導入してから、当初は想定していなかった活用方法はありましたか。
現場の営業担当から、「こんなツアーができないか」と相談を受けることがあり、それに応えることで活用の幅がかなり広がっています。
先日は、マンションの階層による眺望の違いを表現したいという相談を受け、平面図ではなく立面図をマップに取り込んだツアーを作成しました。階層別にバルコニーからの景色を撮影し、それぞれの高さからの眺望を見ることができるようにしたため、階ごとに住んだ場合のイメージをより具体的に行って頂けるようになりました。
「THETA 360.biz」を使った今後の展望についてお聞かせください。
最近、物件の購入を検討されているお客様向けに、オンラインセミナーの実施を始めました。今後は、こういった物件ごとのセミナーの中で、360度カメラを使った動画や、バーチャルツアーをお見せできたらと考えています。
また、メルマガに記載しているバーチャルツアーへのアクセスが非常に多いことから、定期的にお客様にアプローチするメールマーケティングのコンテンツとしても非常に効果が期待できると考えています。
今後は、検討中のお客様のご来店のきっかけに繋がるようなフォローメールや、長期検討されているお客様へのメールにも、バーチャルツアーを活用していきたいですね。
バーチャルツアー制作ツール選定のポイント
バーチャルツアーの制作ツールを選ぶポイントとして、何が重要でしょうか?「THETA 360.biz」の導入をお考えの方に向けて、アドバイスがあればお願いします。
一つ目のポイントは、ハードとソフトの親和性です。バーチャルツアーの制作には、360度カメラが必要となります。リコーさんは、RICOH THETAのメーカーであるので、親和性については申し分ありません。
次に、ツールが使う側にとって使いやすいものであるかどうかという部分です。バーチャルツアーは、日々の業務で使うツールなので、誰が使っても簡単につくれるツールであるかどうかが、実際にツールを導入・運用していく中で重要なポイントとなってくるかと思います。
THETA360.bizは、管理画面・編集画面の操作性が優れており、ここに何をいれたらいいということが一目でわかります。冒頭にも申し上げましたが、以前他社のツールを使っていた経験があり、THETA360.bizのフリープランをためした際、その使いやすさに衝撃を受けました。
ありがとうございます。
導入から約1年がたち、社内への浸透が進む中、「THETA 360.biz」を活用してお客様により伝わりやすいコンテンツ運用を心がけていらっしゃる様子が伝わって来ました。
岸下様には、実際にツアーを作成いただいたり、営業担当の皆さまへ撮影方法・制作方法までを自らレクチャー頂くなど、お客様が知りたい情報をより届けられるよう社内で積極的に推進されています。
お客様のニーズを考え、お客様の声を聞いて柔軟に取り入れ、活用するという熱心な取り組みが、各エリアでの顧客満足度にも繋がっているのですね。
これからも、「THETA 360.biz」を多方面でご活用いただければ幸いです。