東急建設株式会社

施工状況の共有をDX化することにより業務効率化に成功!バーチャルツアーで進化する働き方

東急建設株式会社様は、東京都渋谷区に本社を置く総合建設会社。多摩田園都市をはじめとする渋谷や東急沿線の街づくりを原点として、企画提案から新築、リニューアル、建て替えに至るまで、街のライフサイクルに末永く関わっていくことによって、常に新たな価値の創造に努めてられています。

そんな東急建設様のTHETA 360.bizの活用方法について、都市開発支店 鉄道土木部の住川浩章様、土木事業本部技術統括部土木設計部 ICT推進グループの水野麻香様にお話を伺いました。

1

導入の決め手は、直感的に簡単!

御社では、「THETA 360.biz」をどのようにご活用されているのでしょうか。

住川:弊社の土木事業で請け負っている工事では、お客様をはじめとする関係会社との進捗確認や状況確認が欠かせません。その際に、「THETA 360.biz」で制作したバーチャルツアーを見ながら確認を行っています。

 

現在は、東京メトロ銀座線渋谷駅 の改良工事を中心に、すでに40以上の現場で活用しています。

 

今回、どのような理由から「THETA 360.biz」を導入されるに至ったのでしょうか。

水野:360°カメラはもともと導入したいと考えていて、360°カメラを探している中で「THETA 360.biz」を見つけて、現場に紹介して…という流れで導入が決まりました。

 

住川:これまで使っていた通常の写真では、一度に一面しか見ることができませんでしたので、もう少し範囲を広げて見たいのに見切れているなど歯がゆい思いをすることがありました。

 

「THETA 360.biz」について会社から話を聞き、実際に利用してみると、臨場感が全然違い、これは使えるなと感じました。

 

試しに、東京地下鉄様 との打ち合わせの中でお見せしてみたところ、非常に分かりやすいと好評をいただいたため、継続して使用することとなりました。

 

もともと360°カメラの導入を検討されていたとのことですが、「THETA 360.biz」をお選びいただいた決め手は何でしょうか?

水野:様々なものを検討はしたのですが、バーチャルツアーを直感的に、簡単に作れるというのが一番の決め手ですね。

 

私たちは、関係者間の情報共有のために利用しますので、できる限り時間をかけずにより情報量の多いものが共有できるかを重視していました。

 

2

情報共有が円滑化、取引先企業にとってもメリットが!

今、「THETA 360.biz」をご活用いただいているプロジェクトについて、詳しくお聞かせください。

 

 

住川:現在メインで活用しているのは、東京メトロ銀座線渋谷駅の改良工事です。銀座線の渋谷駅は、かつては百貨店の中にありましたが、渋谷駅街区の基盤整備に合わせて移設工事が進んでいます。

 

実際に「THETA 360.biz」をお使い頂いて、効果を実感された場面はありますでしょうか?

住川:360°カメラ導入以前は、写真を見ながら打ち合わせをしていて「丁度この映っていない部分が見たいのに…」といった事が度々ありました。

 

撮影してしまった後にそれが出てしまうと、再度撮影に行かなければいけないケースもありましたし、工事は日々進んでいるので、確認したい部分自体がすでに無くなってしまっていたりという事もありました。

 

再撮影となると、鉄道工事は電車の走っていない深夜から早朝までの間にしか現場に入れないため、撮影自体もかなりの手間になってしまいます。

 

360°カメラであれば、その時は意識していなかったような部分もきちんと映っているので、非常にメリットを感じています。

 

また、夜間の撮影でも、かなり綺麗に撮れているなというのは感じます。現場自体は、ある程度の照度を確保しないと安全を担保できないため、照明はつけてあるのですが、それを差し引いても、画像が暗くて見えにくいとか、そういったことは感じたことがないですね。

 

特にカメラに詳しくない人間が、難しい設定をしなくても綺麗な写真が撮れるのは、導入する側にとっては非常にありがたいですね。

 

お客様や関係会社との打ち合わせで使われているとのことですが、お客様との情報共有の仕方にも変化はございましたか?

住川:工事中は、前日の実績確認と、翌日の予定共有をする打ち合わせが毎日行われます。

 

打ち合わせは、鉄道会社側の担当者様はもちろん、現場責任者やその他関連会社の担当者など、様々な方と行います。毎日現場を見ている方もいれば、普段あまり現場には来ることができない方もいらっしゃいます。

 

そうなってくると、従来の写真だけでは、話の中で普段現場を見ていない方にはイメージがつきにくい部分もありました。

 

例えば、鉄道会社側は、我々の工事に対して安全管理も行う必要があります。工事の際に危険がないか、列車の運行に支障を及ぼすような危険性がないか等の確認を行います。

 

その際に、タブレットを用いて事前に作成したバーチャルツアーをお見せすることで、実際に現場にいるかのように細部を確認でき、意識共有ができるようになったので、打ち合わせがかなりスムーズに進むようになりました。

 

安全マネジメントがしやすくなったのは、お客様にとっても大きなメリットと言えると思います。

 

3

書類作成にかかる日数を削減!生産性向上の立役者

業務効率について、「THETA 360.biz」の導入によって改善した部分はありますか?

例えば、施工計画を作っている過程で、現地を再度確認しないと分からない部分などが出てくると、現場へ直接出向く必要があるのですが、それが大幅に減りました。これにより、実感として1~2日程度書類の仕上がりが早くなったと感じています。

 

また、現場の状況を本社や支店などと共有する必要がある時も、これまでは現場へ直接行っていたところを、オンラインの会議とバーチャルツアーの共有で完結できることも増えてきているように感じます。

 

水野:実際に会う場合でも、バーチャルツアーを見せるのと見せないのとでは情報共有のスピードも全然違いますので、そういった部分でも時間短縮、ひいては人件費の削減に繋がるのではないかと思います。

 

水野:THETA 360.bizの他にも、施工状況の共有をより効率化するためにBIM/CIM(*)なども導入し、総合的に生産性の向上を図っています。(*BIM/CIMとは Building Information Modeling / Construction Information Modeling / Managementのこと)

 

BIM/CIMなどのICTを導入したことで、工事理解にかかる日数や人件費が削減されています。今後も、THETA 360.bizを積極的に活用して、更なる業務効率化を実現していきたいです

 

住川:3Dモデリングとは、専用のソフトウエアを用いて、3次元的に現場の様子を再現することです。3Dモデリングとバーチャルツアーにはそれぞれ利点があります。

 

まず、3Dモデリングは、過去の様子を再現することもできれば、未来の形を具現化することもでき、写真の撮れないところ、人の行けないところも再現可能です。

 

平面図と断面、縦断図のような2次元ではなく、3次元で見せることができるため、直感的に構造が分かりやすいですよね。ただし、あくまで設計図上のものなので、現物ではない。

 

一方、バーチャルツアーは現物を360°撮影したものですので、まるでその場にいるかのような臨場感で現場を見ることができますし、質感や汚れなど、設計図上には表れないものまできちんと確認することが可能です。ただしバーチャルツアーは未来を再現することは出来ません。

 

バーチャルツア-と3Dモデリングの双方があることによって、より理解を深めることができると感じています。

 

4

積極的な情報交換が社内での浸透を後押し

御社では2月から「THETA 360.biz」を導入され、すでに40以上の現場で活用いただいているとの事ですが、社内でここまで「THETA 360.biz」が浸透した理由は何でしょうか?

水野:弊社の社内ポータルサイト内に、「カイゼン広場」といって、業務の改善事例などを投稿する場があります。最初に東京メトロ銀座線渋谷駅の工事でバーチャルツアーを導入した際、その投稿を行ったことで社内に広がっていきました。

 

住川:工事の施工に際し、バーチャルツアーを活用してどのように業務改善や効率化を行ったかを資料にまとめ、投稿しました。これにはかなりの反響がありました。

 

業務効率化のために、このように積極的に社内で情報交換し合うことも、新しいツールの浸透を後押ししていると思います。

 

5

広がる「THETA 360.biz」活用の場

コロナ過のこともあり、「遠隔臨場」への取り組みが注目されてきていますが、御社でもそのような部分は意識されているのでしょうか。

水野:日々の工事において、本社からの技術的支援が必要な場面があります。その際には、現場確認をすることが一番です。

しかし、遠方の現場で迅速性が求められる場合や複数名で現場確認をする場合などは、遠隔対応は有効と考えています。

現場の危険個所や足場がないと人が行けない場所などは、ドローン+360°カメラなども活用していければと思います。

 

技術の向上にともなって、360°カメラを使った業務の効率化には積極的に取り組んで行きたいと考えています。

 

「THETA 360.biz」を使った今後の展望についてお聞かせください。

 

住川:実は、少し前に、部品を自作して、360°カメラをクレーンの先端に取り付けてみました。現場で使用する小型のクレーンでは、運転手は運転席からの景色しか見えないため、通常合図者の合図を頼りに操作を行うのですが、クレーンの先端にカメラをつけることで、様々な角度を手元で見られるようになれば、より安全性を高められるのではないかと考えたんです。

 

ライブビューを使って、手元のデバイスから鮮明に360°画像が確認できたりするようになったら、とても便利ですよね。バーチャルツアーの活用の幅は、使い方によってどんどん広げていくことができると感じています。

 

ありがとうございます。これからも、「THETA 360.biz」を多方面でご活用いただければ幸いです。

最新記事