伊賀市
伊賀流 空き家バンクは360度の写真で空き家を紹介!
空き家バンクは「空き家を売りたい・貸したい人」と「買いたい・借りたい人」の橋渡しを行う制度で三重県伊賀市では2016年度からスタートし、2019年度に空き家対策の専門部署として三重県で初めて空き家対策室を発足しました。
伊賀市では、中古住宅の安心安全な流通と信頼性の高い住まいを提供するため、不動産、法務、建築、建設などの7団体と全国的にも珍しい包括連携協定を結び、専門的なサポートができる体制を構築しています。また、利用者が安心して中古住宅の購入や賃貸の検討を行えるように、市職員が中心となって情報提供や移住相談などを行っています。こうした伊賀市独自の取り組みから「伊賀流 空き家バンク」として活動しています。
今回インタビューに応えて頂くのは伊賀市 住宅課 空き家対策室の今井様です。
THETA 360.bizの導入背景
THETA 360.bizはどのようなきっかけ、目的で導入されましたか?
元々は伊賀市のホームページの中に空き家情報を掲載していましたが、サーバーの容量制限により掲載量にも制限があり、2次元の写真や間取図しか掲載できていませんでした。そのため、それらの情報だけでは物件の全体的なイメージが掴めないお客様からは、内覧に来られた際に「イメージと違う」と言われるケースが度々ありました。
そこで、2019年度に空き家対策室を発足した際に空き家バンクのサイトを立ち上げて、充実した情報発信を検討することにしました。
新たな空き家バンクのWebサイトでは、お客様に物件の具体的なイメージをもって頂くためにもバーチャルツアーの採用を検討していましたが、その最中に新型コロナが発生したこともあり検討を加速し採用に至りました。
THETA 360.bizを知ったきっかけはWeb制作会社からの紹介で、完成版のバーチャルツアーや制作にあたっての操作方法を見せてもらいました。実際に自分でも使ってみて、機械に弱い私でもカメラの操作やバーチャルツアーの制作が簡単に出来たので問題無く採用を決定しました。
THETA 360.bizは不動産事業者などの民間企業が導入していますが、行政ではまだまだ浸透していなかったため、先進的な取り組みとして効果的だと思いました。
THETA 360.bizの活用方法
360度写真は誰がいつ撮影していますか?
空き家バンクの運営メンバー2~3名で対応しています。物件所有者が空き家バンクに申請を出し、運営メンバーが家の状態を確認し、物件所有者と不動産業者で売買契約が締結され、空き屋バンクに掲載できる状態になったら撮影をしています。空き家バンクに掲載できるようになる物件は月に5件程度ですが、物件ごとにタイミングはそれぞれですので、決まった撮影日は無く、都度状況を見て撮影をしています。
工夫していることがありましたらお聞かせください。
部屋やキッチンだけでなく、お風呂やトイレ、庭など、できるだけ全てを見ていただけるように撮影しています。カメラは、RICOH THETA SC2 for Businessを使用しています。三脚に装着したTHETAを部屋の真ん中に立てて、撮影者は物陰に隠れ、タブレットを使って遠隔で撮影しています。外観を撮ると周りの家が映ってしまう場合は360度での撮影を控えたりもしています。
THETA 360.bizで制作したバーチャルツアーの各画像にはテロップで部屋の種類(土間、大広間など)と部屋の大きさ(何畳か)を情報として入れています。
THETA 360.bizを活用して得られた成果
THETA 360.bizを導入して変化や効果がありましたか?
今までは現地にお越し頂いた時にイメージと違ったと言われるケースが度々ありましたが、THETA 360.bizを活用し始めてからはそのようなケースは無くなりました。天井から床まで360度の画像で全て見ることが出来るようになったので、現地にお越しになって確認するのは物件の中よりも、現地までの道筋や近隣の道路と物件の関係、リフォームに必要な費用感などが中心になりました。
また、バーチャルツアーを掲載するタイミングでYouTube動画も併せて掲載するようにしたので、バーチャルツアーと動画の両方で物件を確認することが出来るため、「伊賀市はWebサイトが非常に分かりやすい」「現地に行ってまで見たい物件か否かを判断するツールとして役立っている」「想定していたイメージとギャップが無くて良い」などお客様から好評を頂いています。
以前のサイトと比較して、空き家バンクのWebサイトは倍近いページビューとなっています。
今後の活用や期待について
製品についての改善要望や今後の活用アイデアについてお聞かせください。
現時点では製品に対して特に改善要望はありません。
THETA 360.bizのプランをアップグレードすることにしたので、掲載数を増やすことができるようになりました。今後は掲載数を増やすことに注力したいと思います。
<参考>
伊賀流 空き家バンク Webサイト