株式会社エナジーデザイン様は、360°カメラとドローンを活用してクライアントの業務効率化を図り、多様化するビジネスに対応できる時間の創出を提案しています。
今回は、業務効率化の支援事業の提案事例とTHETA 360.bizの活用の仕方について、株式会社エナジーデザインの 代表取締役社長 澁谷 祥一様に話を伺いました。
はじめに
現在手がけている事業内容について、お聞かせください。
このところ特に注目されているVRを含めた360°画像を使って、クライアントの業務効率化の支援と販売促進を図る事業をおこなっています。360°カメラでの地上撮影のほか、弊社が得意とする空中・水中でのドローンを使った360°撮影です。
株式会社エナジーデザイン 澁谷祥一様
360°カメラとドローンで「遠洋漁業のIT化」を図る
現在、特に力を入れているのが「漁業のIT化」を図るプロジェクトです。
近年、農業のIoT化は順調に進んでいるようですが、漁業・水産業の分野では、まだまだこれからです。弊社では、本社所在地の大阪から東北の漁業現場に出向いて、ヒアリングを続けています。
遠洋漁業の大型漁船には、魚群探査をするためのヘリコプターが搭載されています。その場合の年間コスト額は平均で7〜8000万円はかかると伺いました。
以前はそのコストでもよかったのですが、現在では一昔前に比べると漁獲高も減り、乱獲がニュースになるなど、水産資源への危惧もされる昨今ですから、高額なコストをかけられないというのが現状のようです。
であるならば、ヘリコプターのかわりにドローンでの空中撮影で魚群探査をしてみては、と提案をさせていただいております。現在の360°カメラはかなり精度が良くなっているので、画像解析をすれば、人間の目には見えない魚群も見つけられる可能性もでてきます。
このような事例を事業モデルとして提げて、2018年11月28日に開催されたICTビジネス研究会主催の「第5回Challenge IoT Award 2018 第5回ビジネスモデル発見&発表会 東北大会」に参加したところ、うれしくも地方創生賞を受賞することができました。2019年春に開催される全国大会に向けた挑戦権を獲得しました。
360°カメラの画像による農地調査で、人件費削減と時間短縮が可能に
今、ご相談をいただいているのが、農林業で年度ごとに行っている農地の使用状況を把握する業務の効率化推進についてです。
休耕地や転作など農地の使用状況は年度ごとに変わります。所有者にとっては固定資産税やその他の税金にも関わってくる大切な情報ですので、適正な調査が必要です。
弊社で提供できるサービスとして、ドローンによる360°撮影を実施することができれば、これまで出向いて調査していた時間も、管理や記録にかかる人件費も約50%の削減にもなると考えています。
THETA 360.bizの工場ツアーで思わぬ効果
クライアント様へ提供されたサービスで、THETA 360.bizを利用した具体的な事例がありましたらご紹介いただけますでしょうか。
実績としてご紹介できるのは、2件の自動車整備工場のWEBサイトです。
工場内はクローズな空間ですし、一般的にはクリーンなイメージは持たれていません。大切にしている愛車を預けるのであれば、やはり工場内の様子を知っておきたいと考えるのが、消費者の心理であると考えました。
そこで、工場ツアーをTHETA 360.bizで作ることを提案させていただいたのです。
消費者に向けて作ったこの工場ツアーですが、思わぬところに効果を生みだしました。
取引先の大手ディーラーから、「きちんと仕事のできる安全な工場」ということで、信用をいただけたという報告をいただきました。他の自動車工場との差別化を図る意味で「360°ツアーを作ってよかった」と喜んでいただけたのは、弊社としても驚きでした。
THETA 360.bizを使っての今後の展望をお聞かせください。
私は、東日本大震災の時、宮城県・仙台市で被災しました。震災で、一番ひどい被災地域であればあるほど、調査に入れない現状があり、保険金の支給が遅れたり、本当に被災されている方へ保険金が届かないということが起こっていました。
いまこの仕事をしながら思うのは、普段から、通常時の地形を360°画像で残してアーカイブしておいて、災害の起こったときに同じポイントから360°カメラを搭載してドローンを飛ばせば、直ちに被害状況を把握できるということも考えています。
360°の撮影は、誰でもできる時代になりましたが、質のよい撮影ができるかといえば、そこはまだまだこれからだといえます。
そのようななかで、弊社には質の良い360°画像を撮影できる「Google認定フォトグラファー」が在籍しています。
この先も、解析度の高い360°全天球画像を撮影し、クライアントのニーズに応えていけるサービスの提供を目指していきます。
360°カメラ画像は説明のいらないコンテンツ
最後にTHETA 360.bizを検討されている人や法人・企業へ向けてメッセージをお願いいたします。
今はあらゆる企業においてプレゼンテーションを行う際は、必ずと言っていいほど写真の入ったきれいな資料を何ページも作成しています。
けれど、興味を持っていただけているのかどうかは、目の前で資料に目を通している先方の様子を見ていればわかります。
弊社の場合は、資料をさしあげるよりも、パソコンを使ってTHETA 360.bizから全天球画面の映像をお見せしています。そのほうが、格段に反応がいいのがわかります。
360°画像へのお客様の食いつきは抜群です。
誰が見ても理解のできる、説明のいらない確実なコンテンツは、360°画像が撮れれば簡単に作成できます。
これまで一つのコンテンツを作るのに、何枚も写真を撮ってクラウド上に残していかなければなりませんでした。しかしTHETA 360.bizを使えば、360°カメラTHETAでワンショットです。
360°の全天球画像1枚を記録用として保管し、すぐに取り出すことができるTHETA 360.bizを使えば、業務効率もあがります。そこで生まれた時間で、クライアントへのサービスをより一層充実したものにしていくことが可能になります。
この先、360°の撮影がより一層身近になり、誰もが使える便利なツールとして受け入れられるようになれば、ビジネスは加速していくことは間違いないと考えています。