株式会社 藤和ハウス様は、東京都内を中心に全14店舗を展開し、創業45年の実績を誇る総合不動産業企業。住まいを「買うとき」「売るとき」「建てるとき」「直すとき」「借りるとき」・・・。住まいに関わるすべての分野に幅広く事業展開をしており、住まいのトータルプランナーとして顧客の求める生活スタイルの実現に尽力されています。
株式会社藤和ハウス 仲介事業部 ネット推進 部長代理 田口洋一様には、3回に分けてお話を伺っていきます。
今回は導入初期として「THETA 360.biz」の導入から数ヶ月で顧客からの反応に手応えを感じるまでの経過と、これからの展望を取材いたしました。
ページ滞在時間が20%UP!お客様からの好評の声も
貴社で手がける「総合不動産業」の事業内容と、この度THETA 360.bizを導入いただいた「仲介事業部 ネット推進」の業務についてお聞かせください。
弊社は創業から45年、東京都内を中心に不動産に関わる「買う・売る・建てる・直す・借りる」・・・など、住まいのトータルプランナーとして様々なお客様のニーズに対応をさせていただいております。お客様のライフステージによって変化するお住まいを、最良な形で提案することを目指しています。
この度「THETA 360.biz」を導入したのは、弊社の不動産売買仲介部門でWEB集客やマーケティングを担う「仲介事業部 ネット推進」です。約30名ほどが所属し、WEB集客に力を入れ、具体的にはホームページからのお問い合わせや資料請求などを増やすことを指標としています。顧客層は30代~40代、子育てしているファミリー世代が多いです。
弊社で「THETA 360.biz」の導入を決め、物件内見の疑似体験ができる「360°パノラマ・VRツアー」をWEB上に公開してから1ヶ月ほどで、ホームページ閲覧者のサイトへの滞在時間が今までと比べ10〜20%増加しました。
掲載している物件の「360°パノラマ・VRツアー」は、各営業店舗で営業社員がTHETAで撮影し、ツアーの制作まで行っています。藤和ハウスのホームページをご覧いただいたお客様から「すごく見やすいですね」などの感想が直接耳に届きはじめたことは、大変な驚きでした。
これまでの経験から考えても、何か始めた時に「よくなった」「見やすい」などのお声をわざわざお客様からいただけることはなかなかありませんので、とても嬉しい展開でした。
「360°パノラマ・VRツアー」制作のための社員研修とは?
各営業店舗の皆様が「THETA 360.biz」を使って「360°パノラマ・VRツアー」が制作できるようになるまでの課題や取り組みについてお聞かせください。
以前から、不動産ポータルサイトでのパノラマ画像の物件情報の公開は行われています。過去に弊社でも一眼レフに取り付ける仰々しいパノラマレンズを用いて撮影もしていました。ですから、一部社内では「コンテンツとしてパノラマはもう古いのでは」という感覚もありました。
そこで他社サービスも含めて検討し、導入決定までに2ヶ月、運用するための店舗準備や研修にも合計2ヶ月の時間をかけました。まずはTHETAで撮影した360°画像と一眼レフで撮影したパノラマ画像を比較してみました。すると、比にならないほどに、格段に画質も良く、なにより撮影が手軽で簡単、「THETA 360.biz」を導入すれば「360°パノラマ・VRツアー」などの多角的なコンテンツも自分たちで制作ができることが魅力でした。
「もし導入したら、各店舗でツアーを制作できると思いますか?」と、各管理職、各部署責任者に社内アンケートをとったところ、15%は手間がかかりそう、85%は是非やりたい、という回答が集まりました。
THETAで撮影した360°画像の掲載を始めることを決め、THETA 360.bizで「藤和ハウスの自社サイト」に埋め込むための、システム開発も行いました。
営業店舗の現場で「360°パノラマ・VRツアー」を手際良く制作し効果的に使っていくために、仲介事業部ネット推進で撮影・ツアー作成のシミュレーションを経て作成した社内資料をもとに、全営業店舗にて「撮影~ツアー作成~藤和ハウス自社サイトへの公開」の流れで研修会を実施しました。
THETA 360.bizは「面白い」「思ったより簡単にできる」「クオリティーが高く、達成感がある」
研修を終えると本格稼働からわずか1ヶ月で、合わせて50件分の「360°パノラマ・VRツアー」が出来上がってきました。営業店舗からの生の声として「面白い」「思ったよりも簡単に制作できる」「クオリティーの高いものができて、達成感がある」「顧客から多くの反応がある」など、「THETA 360.biz」のユーザーとしての声が早々にあがってきました。
プライベート用にTHETAを購入した社員もいるとも聞いています。 これは予想外の展開でした。
「360°VRツアー」制作のための研修のポイント
研修資料は、「THETA 360.biz」の契約時にいただいた資料も組み合わせ、不動産、物件の撮影に特化したオリジナルのマニュアルに仕上げました。画像に取り込むアノテーションや矢印の使い方の指示やポイントなども、全て資料に盛り込んでいます。
各店舗での社員研修ではまず、「THETA 360.biz」を使った「360°パノラマ・VRツアー作成」が「簡単である」、「慣れたら1物件あたり10分で完成する」とアピールをした上で、実際に10分を計測してデモンストレーションを行い、説明に入りました。
ツアーで使用する360°カメラの室内画像の撮影時に、気をつけることも伝えます。明るさは「なるべく均一に」と具体的な事例も挙げて説明します。例えば、リビングでも窓のあるところと、窓が北側しかない場合とでは明るさが異なるため、補正をかけます。
撮影の基本も伝えます。例えば、物品の取り扱い説明書やリモコンなどは、360°画像に映らないように撤去するなど、些細なことまで徹底しました。
「THETA 360.biz」で提供されている使い方のマニュアル動画もわかりやすく好評です。説明のみに終わらずワークショップのような形で研修をしたことが功を奏したのでは、と考えています。
差別化と目新しさを実現するTHETA 360.bizの「360°VRツアー」
THETA 360.bizを導入して、具体的な効果がありましたらお聞かせください。
不動産業界は、昔はどちらかというと情報をあまり出さずに、不動産会社・店舗へ足を運んでいただくような流れでした。しかし、インターネットの普及もあり今はほとんどの不動産会社で、物件情報や写真など情報は出せる限り多く出し、情報の豊富さや質などから会社を選んでもらえるように変化しています。
今回、藤和ハウスのホームページにTHETA 360.biz「360°パノラマ・VRツアー」を導入した理由は、他社との差別化と目新しさを感じていただくことにもありました。
導入後は、ホームページへの訪問者のサイト滞在時間も確実に増えてきています。集客に即つながるというよりは、じわじわとお問合せにつながることを期待しています。「360°パノラマ・VRツアー」をご覧になった売主様からは「ぜひ藤和ハウスに任せたい」とお話しをいただくこともでてきました。
物件購入を検討されている顧客への購入動機につながることはもちろんですが、それ以上にご売却を任せていただける売主様へのアピールにもなっていきます。自社サイトに導入したことで、業者や競合他社からも注目されはじめているのは肌でも感じています。
実際の物件と360°VRツアー画像に相違がほぼない
遠方にお住まいの場合やなかなか現地に来られない方からすると、物件探しに必ずあってほしいサービスが「360°パノラマ・VRツアー」です。
WEB上で物件内部をある程度見ていただき、気に入っていただければ、現地入りするタイミングで見る物件数もかなり絞ることができます。
またTHETAで撮った物件内部の360°画像は、実際の物件と比較したときにその差をあまり感じることがないようです。
弊社でも一眼レフで撮る場合、写真としての精度を上げますから、部屋の広さやフローリングの色の印象が変わってしまうこともあります。
お客様の率直な声に、THETAで撮影するメリットを感じました。
THETA 360.bizを選んだ理由は「使いやすさ」
弊社では各店舗の営業社員が利用することを考えて、少しでも手間に感じたり、難しいと思ったりする操作は避けたいと考えていました。
「THETA 360.biz」は、他社の同様のサービスと比較しても圧倒的に画像が綺麗で使いやすく、思ったほど価格も高くありませんでした。あとはTHETAを作っているリコーの提供するサービスであるなら間違いがない、というところで決めました。
営業社員のモチベーションを保つ意味で、撮り直しや撮りこぼしがないように、撮影時に留意する点は具体的にしています。物件の360°ツアーですから、入り口の玄関の撮影は必須です。物件内部の撮影は部屋中心部で行い、事前に間取り図で撮る場所を確認するようになど、事前に研修やマニュアルで細かく伝えています。
各店舗の研修を担当した仲介事業部ネット推進のスタッフが、担当している各営業店舗の社員に寄り添い、出来上がってきたVRツアーのさらなるクオリティーの向上に努めています。
「360°パノラマ・VRツアー」にひとつ反響があれば、その声は店舗から他店舗へとひろがり、大きな波動になります。現在は50件分の掲載だけですが、このペースで200件、500件と自然と掲載件数も増えて、結果も早々にみえてくるような期待感を持っています。
それでは最後に、THETA 360.bizの導入を検討している企業へのアドバイスをお願いします。
弊社は総合不動産業です。実際に「THETA 360.biz」を導入してみたら、仲介部門にとどまらず分譲部門やリフォーム部門をはじめとする様々な分野で生かせることに気がつきました。
360°画像を一枚撮影しておけば、販売から売却、現地確認、リフォームの見積もりなど、改めて撮影するために現地に行くことが少なくなります。
今後は売却済みの物件の360°画像を、社内共有として自社の顧客管理システムに取り込んでおけば、次の展開での売却やリフォームの参考にもなりえると考えています。今はあまり役に立つとは思えないかもしれないですが、数年後にはテクノロジーの進化とともに新しい用途もでてくるかもしれません。
弊社では、この1〜2ヶ月のうちに「360°カメラVRツアー」の制作は200件を超えることを目標にしています。半年で500件に到達していく勢いです。
今現在の段階では、活用できるところは少ないと感じていますが、不動産業であるならば、間違いなく早くはじめたほうが良い。やらない理由はないと思います。